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税務調査

税務調査の思い出~反面調査

税務調査の思い出~反面調査

元国税調査官の女性税理士、中郡里奈です。今週はまだ恵比寿から出ていません。記録更新中です。

 

 

税務調査の手法の一つとして、反面調査というものがあります。

反面調査とは、調査対象会社では確認できなかった取引について、その取引が正しいかどうかを相手側(取引先)から確認するものです。

 

どの会社に調査に行こうかと申告書をチェックしていたところ、機械を期末に大量に仕入れて、特別償却している3月決算法人がありました。

特別償却とは、通常の減価償却より多く償却できるため節税に効果があります。しかし一定の要件があり、申告書に付表を添付する必要があります。

 

付表を確認してみると、事業供用日が期末日である3月31日になっています。特別償却は期末日までに事業の用に供していなければいけません。

ギリギリですね。

 

本当でしょうか。。

調査をしているうちに性格が悪くなったようです。

 

その会社に調査に行きましたが、請求書や納品書の日付はいずれも3月31日でした。

 

私の直属の上司にその旨を報告しました。

「まだ反面調査ってしたことなかったよね。勉強のために反面調査してみようか。」

数日後、私と上司は機械の仕入先に反面調査に行くことになりました。

 

営業部長及び担当営業マンと話をし、「調査対象会社に売上げた機械に関する資料を見せてください。」とお願いしたところ、担当営業マンが資料を出してきました。

すると、その会社(反面調査先)が機械を仕入たのは4月6日であることが判明しました。

反面調査先で4月に仕入れたものが、調査対象会社で3月中に事業の用に供せるはずがありませんよね。

 

社長を問い詰めると、営業マンに3月31日で請求書や納品書を作成するようお願いしたと話してくれました。

重加算税対象である「仮装」に該当し、修正申告していただき調査は終了しました。

 

性格の悪さも時には役に立つことができた思い出の税務調査です。